体外衝撃波治療

体外衝撃波治療について

体外衝撃波治療法は、元々腎臓結石や尿路結石のように体内にできた結石に照射して結石を破砕できる治療方法として用いられてきました。切開手術のように外科的手術を行わずに結石をなくすことができます。
最近では、海外において体外衝撃波治療を低出力の衝撃波を利用することで、足底腱膜炎やテニス肘・ゴルフ肘などの多くの疼痛性疾患の治療に応用されるようになりました。整形外科領域では新しい治療法です。野球の大谷翔平さんも使っていることで有名です。
衝撃波を患部の皮膚の上から照射し、神経を変性させて痛みを和らげたり、新生血管の再生を促して慢性的な痛みを解消します。
当院では厚生労働省より薬事承認されているストルツメディカル社の「MASTER PULS MP100」を導入しております。

体外衝撃波治療の効果について

体外衝撃波治療の効果は、短期的な除痛効果と長期的な除痛効果の2つがあります。

短期的な除痛効果

  1. 自由神経終末を減少させて痛みを和らげます。
  2. 痛みに関わる神経伝達物質を減少させて神経中枢への痛み伝導を抑制します。

長期的な除痛効果・組織修復作用

  1. 血管新生・コラーゲン産生の効果があるので、腱付着部の血管新生を誘導・組織修復を促します。
  2. 疼痛伝達物質を減少させる効果があります。
  3. 炎症の原因、MMPやILなどのサイトカインという物質を抑制できます。

※一般的に、2~3回の治療を繰り返すことで効果が確認されています。

※体外衝波治療は完全なる除痛を保証しておらず、患者さんによって治療効果や治療期間が異なります。学会や論文では60~80%の治療効果が報告されています。

体外衝撃波治療の適応

体外衝撃波治療が適応する疾患・機能障害は以下の通りです。

慢性的な腱障害(腱付着部炎・腱炎)

骨修復機能異常(骨折・軟骨損傷)

そのほかでは、国内外の学会・研究会で報告されている疾患として、ばね指、腱鞘炎、有痛性外脛骨、二分膝蓋骨、シンスプリントにも有効であると報告されています。そのうち、日本国内で保険適応治療として認可を受けているのは足底腱膜炎です。

副作用やリスクについて

副作用は基本的にありませんが、以下の症状が起こる可能性があります。

以上の症状も、いずれも数時間から数日で回復します。

収束型と拡散型の違いについて

体外衝撃波治療疼痛装置には、収束型と拡散型の2種類があります。当院では、拡散型の体外衝撃波治療装置を導入しています。

収束型

収束型は、収束した範囲にエネルギーを与えるので、治療範囲がピンポイントになります。患部のみにエネルギー強度を高く、照射することが可能です。腱付着部炎・偽関節・疲労骨折・離断整骨軟骨炎・石灰沈着物質・深いトリガーポイントなどに有効です。

拡散型

拡散型は、皮膚表面からエネルギーが放出し、筋肉や脂肪にも圧力がかかります。腱付着部炎・慢性腰痛のように筋・筋膜疼痛症候群、筋タイトネス、肉離れ、トリガーポイント、などに有効です。

よくある質問

治療に痛みは伴いますか?

治療中の痛みは伴いますが、我慢できる範囲で出力を上げていきます。なお、低レベルでの照射に耐えられない方は、やむを得ず途中で治療を中断する場合があります。

治療回数は何回ですか?

個人差もありますが、一般的な治療回数は、3~5回を1クールとして繰り返し治療で効果が確認されています。

治療効果はどのくらいですか?

治療効果は患者さんにより異なります。完全なる除痛を保証するものではありませんので予めご了承ください。

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