テニス肘

テニス肘について

テニス肘は、上腕骨外側上顆炎と呼ばれ、肘の外側が痛くなる疾患で、テニスをする人に多い疾患であることから「テニス肘」と呼ばれることが多いです。
手首を反らす働きをする短橈側手根伸筋の起始部が肘外側で障害が生じているとされています。

症状

上腕骨外側上顆炎は、ものを掴んで持ち上げる動作やタオルや雑巾を絞る動作をすると、痛みが生じます。中高年のテニス愛好者がなりやすいので「テニス肘」と呼ばれています。肘の外側から前腕にかけて痛みが出ます。症状の多くは、ある一定の動作をすると痛みが生じ、安静しているときには痛みはありません。


原因

一般的には、年齢と共に肘の腱が痛んで起こります。物を持ち上げたり、手を捻ったりする動作を継続して繰り返すことで、慢性的に外側上顆が炎症を起こし、結果として上腕骨外側上顆炎が発症します。主に、短橈側手根伸筋の起始部が肘外側で障害を受けることが多いとされています。短橈側手根伸筋は、手首(手関節)を反らす働きをしています。
実際には、家事など同様の動作を繰り返すことも多く、テニスをしたことがない主婦が発症することもあります。また、作業だけでなくパソコン業務が多くても手首に負担がかかり発症することがあります。

診断

外来受診で簡単に行える、疼痛を誘発する試験で診断します。一般的な検査には3つあり、いずれの検査でも肘外側から前腕にかけての痛みがある場合、「テニス肘」と診断します。

1.Thomsenテスト

手首(手関節)を曲げて、患者さんには肘を伸ばしたまま検者の力に抵抗して手首(手関節)を伸ばしてもらう。

2.Chairテスト

肘を伸ばしたまま椅子を持ち上げてもらう。

3.中指伸展テスト

検者が中指を上から抑えるのに抵抗して、患者さんに肘を伸ばしたまま中指を伸ばしてもらう。

治療

テニス肘の治療は、まずは保存療法を行います。

  1. 手首や指のストレッチを覚えてもらい頻繁に行います。
  2. スポーツや手をよく使う作業を控える。患部に湿布や外用薬を使用します。
  3. 肘の外側に局所麻酔薬とステロイド剤を注射します。
  4. テニス肘用のバンドやサポーターを装着して過ごします。装着方法は主治医に相談してください。
  5. リハビリテーションにて腱の滑走性を高めたり、体外衝撃波によって治療を行います。

保存療法を行っても症状に改善が見られない場合、手術療法を実施する場合があります。手術療法は、筋膜切開術・切除術・前進術・肘関節鏡視下手術などがあります。

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